「手」を描こう
- 2021/05/26
- 19:00
今回の美術プログラムのテーマは「手」です。
自分の手ですから生まれた時からなじみのあるものですが、よく見たことがないのが普通です。
当初から「美術の基本は観察」であるといっていますが、手をよく観察するということはどういうことでしょう。
人の手は親指と他の指が相対しています。でないと物が握れませんが、普段は意識していません。指の長さもそれぞれ違います。中指が一番長く、薬指と人差し指が続き、小指が一番短くなっています。当たり前のことをいっているようですが、あらためて口にだして確認することが観察です。



また指は関節で曲がります。ゴムのようには曲がりません。下手な絵の人物の手足や指はそうなっています。関節は中指を基準に見ます。第一関節と第二関節の間隔は同じです。第一関節の下に人差し指と薬指の第一関節があります。このように確認しながら描いていくと人の手らしくなっていきます。

横から見たところという大変難しいポーズも描きましたが、よく特徴をとらえている絵もありました。

観察力がついてきたら次は「ものの見え方の理屈」です。普通は物の見え方に理屈があるのかと思いますが、あるのです。
これが理解できないまま描いているので上達しないのです。その一つ目が「遠くのものは小さく見える」です。これも「なんだ、あたりまえだ」と思うでしょうが、これができないのです。次回はこの理屈によってものを見る方法について考えてみます。
石田