立体に挑む
- 2021/10/20
- 19:01
今回は粘土で手を造りました。
![DSCF6623[1]](https://blog-imgs-148-origin.fc2.com/y/u/m/yumenomanabiya/202110220842064c0.jpg)
美術的に絵画は平面といい彫刻などは立体といいます。立体というものは、絵と違って一方方向からの視点ではなく、四方八方から見なくてはならないので、ものの見方の難しさは更に増します。それを前後、上下左右どこから見ても矛盾のない立体に仕上げるのですから、技術的にも相当な難しさです。
制作時においても常に全体を見まわし、いびつなところがないか、部分的に特出していないか、全体が同時に進んでいるか、などなど様々なことを意識的にも無意識的にも考えながら進めるのです。
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![DSCF3580[1]](https://blog-imgs-148-origin.fc2.com/y/u/m/yumenomanabiya/20211022084218d76.jpg)
![DSCF6612[1]](https://blog-imgs-148-origin.fc2.com/y/u/m/yumenomanabiya/20211022084218a93.jpg)
![DSCF3587[1]](https://blog-imgs-148-origin.fc2.com/y/u/m/yumenomanabiya/2021102208421826c.jpg)
![DSCF3592[1]](https://blog-imgs-148-origin.fc2.com/y/u/m/yumenomanabiya/20211022084218c6d.jpg)
意識的というのは「手」を造る場合には、それぞれの指の長さや関節の位置関係はどうなっているのか、というように考えることです。目の前に見本があるので、見て測れるので簡単といえば簡単です。これは教えればたいていの人ができるようになりますし、上手にもなります。現在美術プログラムで行っているのはこのようなことです。
無意識的にというのは、各々の指の曲がり具合はどれほどであるのが「美しい」のか、と思うことです。これには見本となる彫像など沢山ありますが、公式的にこの指はこの角度で曲げなさい、というような指標はありません。各自が無意識に考え、手を動かして造りあげるのです。
無意識的にできるというのは、「もって生まれた」という要素が強いと思われますが、証明されたようなことではないので、あまり深入りはしません。しかし今回驚くべき才能の持ち主が現れました。小学校2年の男子なのですが、まだ造り方の説明中にもう造り始めていてこれがまた上手なことといったら、思わず「天才現る!」と言ってしまうほどでした。
黙々と一人でどんどん造っていくのですが、手も口も出す必要もなく、むしろないほうが良いと思いました(他のこどもを放っておいたわけではありません)。45分という短い時間に、大人でもこの時間では短いのですが、ほぼ完成された手を造ってしまいました。
以前のブログで、写実性に優れた表現ができるようになるのは4年生くらいからであるといいましたが、2年生でこれだけのものが造れる子どもは、いやほとんどの大人でもこれだけのものを造れる人はいません。ぜひこの方向の才能を伸ばしていってほしいものです。
石 田